2012年2月8日
いつもお世話になっております。営業の淵之上です。
昨年に引き続き、今年も1/27~1/28の二日間 長野のフラワースピリットさん(以後FS)へお邪魔しました。
目的は市場とFSとの取引会議と圃場見学。
1/27 第一日目
新千歳空港を早朝に飛び立ち、東京を経由して長野の松本に14時すぎに到着。
冷え込みの厳しい時期で、車窓から見える街は雪に埋もれていました。
松本の天気は曇天で、アルプス口からはぼんやりと日本アルプスが望めました。
一年ぶりに戻ってきたなぁと感じながら・・・、集合時間まで少し時間があったので、
迎えに来て下さったラナンキュラスの生産者、横林さんの圃場を見学させていただきました。
松本市内には明治からの古い家屋や倉などが多く、横林さんのご自宅もナマコ壁が美しい家屋でした。
右隣に5棟ほどのハウスがあり、ハウスに足を踏み入れると、
まず目に飛び込んできたのが深い紫色の大輪のラナンキュラス。
テープには『濃デルフィ』と書いてありましたが名前はまだないのだそう。
この品種は『デルフィ』という淡赤紫色の品種を一層濃くしたもので、何とも言えない高貴な佇まい。
トルコキキョウが品薄のこの時期に、マスフラワーとして需要があるのではないかと感じました。
日量出荷は10本ほどとのことでした。
当社に入荷する日が待ち遠しいです。
↓デルフィ ↓濃デルフィ
その他、ポムドール(濃グリーン)などの変わり咲きや赤や黄色の大輪品種の植え付けがありました。
15時からはFS代表の上條氏のハウスに集合し、各市場・仲卸の担当者とFSのメンバーで圃場見学が始まりました。
上條氏試作ハウス見学
上條氏のハウスでは試験品種の栽培が行われています。
FSは宮崎の綾園芸さんの品種を選抜して、松本の気候に合ったオリジナル品種の出荷を目指しています。
普段目にすることのない濃ブラウン色や当社にも先日入荷のあった『レンガ色』など特殊な品種が目を引きます。
今年は昨年に比べ少しずつオリジナル品種の数量がまとまり出荷できるようになってきたと話す上條氏。
特に、『ビガーシリーズ』 はFSのオリジナル品種の中でもカメリア咲きのラナンキュラスらしい花型が美しく、
花弁数・花保ちともに抜群です!
昨年はこのシリーズは本数がまとまらずミックス箱の中に少量入っている程度でしたが、
今期は『ビガーホワイト』をはじめ、『ビガーアプリコット』・『ビガーベビーピンク』・『ビガーレッド』などの色ごとの出荷があります。
写真中央がFS代表 上條氏
黄色の品種は香りが強い特徴と咲き足の早い性質があります。
2棟目のハウスの奥に進むと個人的に見るのを楽しみにしていた
『モロッコシリーズ』が!!
先月某花雑誌で紹介されていたものなのですが、かなりに変わり
咲き品種。『コゲ』という名でも出回っていますが私は異国情緒漂う
『モロッコ』という名が気に入っています。
芍薬咲きの『シャルロット』の花弁がぎゅっとまとまってスカビオサの
様な感じのニュアンスのものです。
品種の名前について・・・
昨今、出回っているラナンキュラスの品種名は量も多く、色も多く
なかなか覚えるのが困難な方もいらっしゃると思います。
私も入荷するラナンキュラスをを見ながらどうしてこの名前がついた
のだろう?と考え込むことが多かったのですが、この名前については
品種との関係は特になく、綾園芸の草野さんがフランスやギリシャなど
のヨーロッパの地名をつけたのだそうです。
そしてこの独特な品種にはそのエキゾティックな雰囲気から『モロッコ』
と名付けられました。
ウィルス問題
上條氏の試作ハウスでもウィルス問題はあります。
葉がまだらな黄緑色になってしまったものがそうです。
ウィルスの発生の原因は植え付け時期にあるといわれます。
植え付けに最適な時期よりも早く植えると気温や湿度などの影響で
ウィルスが発生しやすいのだそうです。
ウィルスによって葉がやられた場合は窒素をかけて葉の全体をマスク
状に覆います。そうすることによって株がほこります。
1~2月にかけて、ハウスの温度設定は朝12度にし、日中にかけて
外気を取り入れながら温度を6度まで落としていきます。
この季節は気温が低いので花がじっくり育つため、花弁数が多く、茎が
太いものができます。
百瀬氏 スナップハウス見学
FSのスナップの生産者 百瀬氏の圃場見学。
ハウス内は1.8mを超える長いスナップが林のように育っていました。
スタンダードな4色の他にラベンダーやブロンズ・コーラルピンク色などあ
ります。規格は 2L(1m)・L(90-80cm)・スーパーEX(125-120cm)
デルフィニュームが高騰するこの時期に代わりとなるようなものがあれば
ということで作られているのがスーパーEXの120cmクラスのものです。
整然と並ぶスナップの足元を見ると、下葉が掻いてある。
スナップ同士の風通しを良くし、日光も当たりやすくなるとともに、二番花
の準備でもあります。
出荷後の花茎を短く刈り込み、二番花の芽が葉同士で陰にならないように
細かく芽掻きを行います。
葉もぐり対策やハイカビ病などの発生にも気を配ります。
花同士が一輪一輪バランスよく詰まっているもの望ましく、見学し
たハウス内には20輪以上の花をつける1m50cm超えのスナップに
圧倒されました。
雪も降りだし、風も強くなってきたため一日目の圃場見学はここで
終了。
1/28 第二日目
9時より松本市内の衣外公民館で取引会議。
各担当の生産者さんより今期の細かな出荷予定や規格の改訂などの説明が行われました。
≪ラナンキュラス≫
花径の大きさの規格の変更
スーパーローヌ 花径13cm → 13.5cm以上 特に優れたもの
ローヌ 花径10.5cm → 11cm以上
カルノ 花径9cm → 9.5cm以上
スーパー 花径7.5cm → 8cm以上
どれも早期に横目を整理してある優れたものとなっています。
昨年より5mmmの出荷時の大きさの基準の変更があり、今後の出荷本数も各品種昨年よりも変動するとのことです。
※品種としては紫・グリーン系が少ない見込み。
10時に取引会議が終了し、松本から車で約一時間かけて茅野にある
ラナンキュラス 柿沢氏のハウスへ。
茅野は八ヶ岳がをバックに広がのどかな土地です。標高は1000m
茅野はFSの中でも一番早く苗の植え付けをします。
大輪系をはじめとする多くの品種がこの茅野から出荷されています。
柿沢氏のハウスでもまだ名前の付いていない品種が多く栽培されていました。
中には和っぽいものや、ブライダル向けのものなども多かったです。
特に白の大輪系の作付が多く 業務・仕事関係向けに数量を予想して作付し
ているとのことでした。
ハウス周辺は雪で覆われていましたが、ハウス内には春爛漫と言わん
ばかりの色とりどりのラナンキュラスが咲いていました。
12時に圃場見学を終了。
二日目終了。
今年も素晴らしいラナンキュラス・スナップを作られているFSさんの圃場を見学させていただき、
まだ出荷の少ない品種やぜひとも出荷して頂きたい品種を見ることができて大変素晴らしい経験ができました。
FSのメンバーの方々のお話しを聞くたびに花のクオリティに対する情熱やオリジナル品種を生み出す苦労や喜びを、
わずかではありますが知ることができました。今後も4月まで続々入荷です!
ぜひ、一度お買い求めいただき、日本一の産地の花の素晴らしさを実感してみてください。